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2014年 11月 09日
今朝の「天声人語」から〜
・・・・ ものの見方や考え方をめぐって、そもそも女性ならではの視点とか男性らしい発想といったものが存在するのか。そんな疑問にも留意しつつ、「戦争と女性」をテーマに女性の識者だけで語りあうパネルディスカッションがあった ▼法学、政治学などの専門家がつくる「立憲デモクラシーの会」が一昨夜、都内で催した。やや物騒にも思える論題だが、集団的自衛権をめぐる憲法解釈の変更以降の政治状況に対する危機感が背景にある。主催者らの抱く懸念に共感を覚える ▼経済学の浜矩子(のりこ)さんは明快だった。「女性は戦争に対する最大の防波堤になりうる」。なぜか。女性は強い。どこにでも移動し、環境に適応し、耐久力もある。強く、ゆとりがある者は他者に対し攻撃的になる必要がない。戦争とは「弱虫の凶暴性」が引き起こすものだ、と ▼一方、憲法学の青井未帆(みほ)さんは、日本の構造的な男女格差に注意を促した。女性の間には社会的に認められないことへの憤りが渦巻いている、と。政治思想史の岡野八代(やよ)さんも、女性の深刻な貧困化に鈍感な政治の現状を厳しく指弾した ▼浜さんも女性差別に目を向ける。ただ浜さんによれば、人が人を差別するのはその対象を恐れるからである。強い女性が社会を方向づけるようになれば、戦争は遠ざかる。それは、安倍政権が考えているのとは全く違う意味での女性の「活躍」だ、と ▼女性という存在への全幅の信頼が感動的ですらある。すがすがしい気持ちに包まれて帰途についた。
by mitry_macrobian
| 2014-11-09 08:03
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